
島根ブランド(日本三大地金のひとつ。)
出雲なんきん
出雲南京(いずもなんきん)は、
日本固有の金魚として、
寛延(1750年)ごろより、
島根県の旧出雲地方で飼育されていたと
伝えられています。
松江藩の城下で飼育が盛んで育った事や、
茶道の侘(わび)・寂(さび)の精神が
取り入れられている事から、
松平不昧(不眛公)も
愛玩したともいわれています。
「いづもナンキンについて」より
清楚で気品が求められ、
特に色彩に見られる制約の厳しさなどは、
まさに不眛公が茶道具に求めた芸術性に
共通するものがあります。
その精神は出雲人気質が
大変受け入れ易いもので
あったかもしれません。
※昭和55年10月21日「いづもナンキン」として、島根県教育委員会に、
島根県文化財(天然記念物)の指定を受ける。
当ホームページは、
「出雲なんきん」のふるさと島根から
全国の皆様へ発信するものです。
「出雲なんきん」の魅力を余すところなく
伝えること事が出来ましたら幸いです。
全国の皆様に島根の天然記念物金魚を
飼育して頂きたく、
今後は生産者から販売ブログにて
直接販売・お届けをさせて頂きます。
そして全国の皆様に、本場島根においで頂き、
観光も含め楽しんで頂けましたら、
さらに嬉しく思うところです。
(生産者にも会って頂けます。)
では、「出雲なんきん」のすべてを、
心よりお楽しみ下さいますよう
お願い致します。



不昧公(ふまいこう)と出雲なんきん。
松江で不昧さんと呼び親しまれ、江戸時代後期を代表する
大名茶人として名高い「不昧公」は、雲州(出雲)松江藩七代藩主・松平治郷の事である。
1751(宝暦元)年に生まれ、17歳の若さで、家督を継ぎ、
当時財政危機に陥っていた松江藩を改革し、みごとに立て直したといわれる名君である。
不昧は、禅学を修め、やがて茶禅一味の境地に至り、
今も松江では盛んな茶道の「不昧流」を確立した。
不昧が愛して集めた茶道具や美術品は、名器、名品と評価され、
現在国宝や重要文化財に指定されているものも多数ある。
又、自筆の書画も在り、まさに優れた芸術家であった。
(1751〜1818)
ここで、現在の出雲文化をつくりあげたともいわれる不昧公の事を紹介するのも、
出雲なんきんの飼育を松江藩で奨励したとも伝えられているからである。




出雲なんきんの
(聖地)紹介











出雲なんきんの見方(適格基準)
●体形
- 頭部/
- できるだけ小型で、口先もなるべく小さい方が良く、目幅はせまく、目先は長い方が良い。
(目幅と目先は1:1の比率が普通とされている。)頭部に肉りゅうがあってはいけない。
- 胴部/
- 腹部は、後方にかけて左右同型で、口から腹にかけての線は、なるべく直線に近い方が良く、一番出ている所がなるべく後方にあり、
豊に張っているものが良い。(イチゴ型に仕上げる。)
- 尾筒/
- なるべく太いものが良いとされ、上から見て円柱状に見えるものが良い。長さは、長めでバランス良く、腹のとまりから尾肩の間にゆとり
のあるものが将来的にも飼い易く良いとされている。
- 背/
- なだらかな櫛(くし)状で、角度の変化の少ない半円を描き、尾筒もカーブしているものが良いとされている。
- 鰭/
- 背鰭は、完全に欠如している事。胸鰭、腹鰭は大き過ぎず2対づつ均衡(釣り合いがとれている)良きもの。尾鰭は、四ツ尾(三ツ尾は不可)
で、停止時は、程良く豊かに広げ、遊泳時には尾肩をカーブさせきれいに泳ぐもの。尾鰭を尾筒の太さ以下にたたんで泳がない事。
尾芯の立ちが良いもの。尾鰭も小ぶりな方が将来的にくずれにくく、飼い易いといわれている。
- 鱗/
- なるべくきめ細かいものが良いとされている。もちろん規則正しく配していなければならない。
※まず、優雅に泳ぐもの(泳ぎの良いもの)でなければならない。


出雲なんきんの色彩。
なんきんの体色は、大変制約が厳しく、
出雲人がつくり上げた、
他の金魚に類を見ない、
非常に特質すべき点でもあります。
色彩の理想とするものは、体全体が白(燻し銀)で、口紅に、両奴、各ひれのみが紅い、
一般にろくりんといわれるもの、本国錦(下図参照)を理想とします。単独でも口紅、ほほ紅(両奴)、
目のまわりの紅いものは、特に、珍重されます。体色が全体に紅いものは、出雲なんきんと
みなされません。上から見て、紅は、最低でも、半分以下なら良しとされます。〈頭に紅が乗るのも不可。〉
赤(紅)勝より、白勝更紗が喜ばれ、それも、体には紅が少なければ少ないほど、良しとされます。
体形が良ければ、しろ(ジュンパク)といわれ、白一色でも良しとされます。紅も、ベタ紅より、
鹿の子更紗模様が喜ばれます。紅の乗る場所も、銀色に輝く美しい背を、妨げる紅は好まれません。
腹の両脇が紅く、背の部分が白いものを、背抜きといい喜ばれます。その腹模様は、体形を良く見せ、腹形を強調するもので、
良しとされます。尾の色彩に関しては、尾を裾といい、着物の裾のようになるべく派手に紅が乗るものが良しとされます。
とにかく、出雲なんきんの紅は、なるべく下に、なるべく後方に、少なく上品な鹿の子模様で乗る方が良いとされています。
紅は、オレンジ色より漆のような紅を、色が上がっていると喜ばれます。〈はげ戻りは不可。〉
その他、稀に、頭の黄色い個体が出ますが、
これについては、黄頭(きがしら)といい、良し悪しには、関係ありません。


出雲なんきんの色・紋様(紅白班)について。
●色彩・班名
- 口紅
- 口紅を引いたような紅を付けたもの
- 鼻髭(はなひげ)
- はなふさの部分が紅いもの
- 目赤
- 目のフチが紅いもの
- 両奴(りょうやっこ)
- 両鰓ぶたの後方が半月〜三日月型に紅を差すもの
- 六枚梶(ろくまいかじ)
- 胸びれ・腹びれ・梶びれの計六枚が紅いもの
- 尾紅
- 尾が先端まで紅いもの
- 袴(はかま)・腰尾紅
- 背の後から尾筒の上部分と尾が紅いもの
- 背抜き
- 両腹模様(鹿の子も可)があり、背が白く抜けているもの
- 鹿の子地
- 一枚の鱗に複数(紅と白)の色が連続して付くもの
- 飛び鹿の子
- 鹿の子模様が体に飛び飛びにあるもの
- 壱枚(いちまい)鹿の子
- 体全体に鹿の子模様でおおうもの
- 小豆(あずき)更紗
- 小豆をちりばめたような更紗模様(鹿の子更紗ともいう)
- 六輪(ろくりん)
- 体全体が白く、口紅・両奴、各鰭先端まで紅いもの
- 白勝更紗
- 白い体に紅の割合の少ないもの
- 三ツ星(尾)
- 三ヶ所紅がつくもの
- 蛇の目(尾)
- 蛇の目状に紅がつくもの
- 日の丸
- 背中に日の丸模様の紅のあるもの
- 黄頭(きがしら)
- 頭部に黄色味を差すもの
- 白・純白
- 体、各鰭白いもの




出雲なんきんとは、
どんな金魚?
出雲なんきんの一番特出すべき点とは
(他の金魚と違う所、出雲なんきんにしか見られない所。)
何かというと、それはやはり
「茶道の詫・寂の精神が取り入れられている所」
だと考えます。
例えば、背びれが無い所も確かにそうなのですが、それをいえば、らんちゅう・
大阪らんちゅう・水泡眼・頂点眼・桜錦・津軽錦、他たくさんいるわけです。
金魚でありながら、派手な紅を嫌い、質素にも見える白勝更紗が尊ばれ喜ばれるの
ですから、これは聞いたことがありません。「本国錦」という色も陽に対してその反対の
陰にあたる色合い(普通からいうと逆)になるわけですから、大変共通した美意識を感じます。
また、稀なもの(出にくい色)をよしとする所も共通しています。グラフィックデザイナーである
筆者にとっては言いようのない魅力であり、はまり所でもあります。例えば、伊藤若冲の絵をみても
若い時は色鮮やかな派手ともいえる絵であったものが、晩年になると墨単色で、白いスペースが増え、
シンプルになっていくのです。(垢抜けていくというのでしょうか?)「出雲なんきん」にも
そういう洗練された所(紅抜けした…。)を感じずにはいられません。
出雲なんきんの品評会は、きもの美人コンテスト!
出雲なんきんは、色白、小顔で、おちょぼ口に、上品に口紅を引き、かわいらしい両奴…。
派手過ぎない垢(紅)抜けしたきもので、更紗(さらさ)模様の裾(すそ)を上手くさばき、白い舞台(たらい)を
弧を描きながら優雅に舞う。『まさにきもの美人のファッションショーを見ているようだ。』本場、島根の秋の品評会を見ると、
優魚の五番目くらいまでの魚(個体)になると、色気を感じさせるくらいの別品さんもいる。
(個人の好みはあるだろうが)心を奪われ、とりこになってしまいます。自分の好みをいえば、小ぶりでも背抜きで、
小豆更紗の腹模様を上品に身に付け、スムーズ(尾味のある)に泳ぎ、気品漂わせる容姿の魚。そんな感じだろうか。
そのような魚をいつかはつくり手にしたいものだ。出雲なんきんは、錦絵(浮世絵)美人のように言われますが、
他の金魚でも姿、体形から受ける印象で表現される言い方があるようです。
背びれの無い金魚でいうと、「獅子頭らんちゅう」は相撲の力士になぞらえるようです。
また、「大阪らんちゅう」は、舞妓さんのようにいうようで、
なかなかおもしろい話です。獅子頭らんちゅうの品評会を
さしづめ大相撲の秋場所というなら、出雲なんきんの品評会はといえば、
「きもの美人コンテスト」あるいは、「ミス日本代表を決めるきもの審査」
ということになるのでしょうか?

色彩(紅白班)で楽しむ
出雲なんきん。
出雲なんきん、べっぴん度(ランク付け)
※べっぴん度(ランク付け)は、
あくまでも当ホームページが独自制作したものです。
